2017年12月7日

買取について

12月に入り、少しずつ店頭買取や出張買取の問い合せが増えてきました。また、年末の大掃除、中掃除にあわせて読み終わった本、棚に入らなくなった本の処分を考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そういうときには、ぜひ弊店をご利用ください。まだスケジュールに空きはあります。そういうことで今回は買取についてです。

店頭での買取は一冊から受け付けています。文庫、新書、コミック、絵本、一般書、専門書など幅広いジャンルの取り扱いがあります。特に力を入れているのは、映画、美術、写真、建築、デザイン、外国文学、現代思想、社会思想、詩歌俳句などの文芸全般です。これらの硬めのジャンルでは洋書も積極的に買取しています。

出張買取について。たとえば武蔵野市、三鷹市のご近所の方ならば、引っ越し用の段ボール箱で一個以上を目安にぜひご相談ください。調布市、小平市、西東京市、小金井市、国分寺市、杉並区、練馬区、中野区の方ならば、引っ越し用の段ボール箱で二個以上を目安にご相談ください。そのほかの町にお住いの方ももちろん歓迎します。内容次第では遠方にお伺いすることもできます。
これらはあくまで目安で、内容次第では買取に伺えない場合もありますが、反対に少量でもお引き受けできることもあります。まずはお電話を。

ちなみにここ最近の出張買取の実例としては、①同じ町内でコミック4箱、②緑町でコミック6箱、③井口方面で社会思想関連の単行本と新書本が小さめの箱に3箱、④阿佐ヶ谷で教育学、社会学、文庫本が250冊前後、⑤国分寺市で絵本、児童書、美術書が300冊前後、⑥荻窪でクラシックCDが2箱、などなど。

いろいろと書いてきましたが、何はともあれ本の処分をお考えの際は、ぜひ弊店にご相談ください。お話をするなかで、その本のよりよい活かし方をいっしょに考えていければと思います。よろしくお願いします。

2017年11月30日

くどいようですが……

営業時間の変更のお知らせです。12月から営業時間が11:00~21:00に変更になります。
ご不便をおかけする方もいらっしゃると思いますが、何卒ご理解のほどお願いいたします。

2017年11月28日

購書日記(12)

定休日の火曜日。なんだかんだで早朝から夕方までを店で作業をしながら過ごす。11月は後半に買取に恵まれて棚が充実してきた。自然と月末の落としどころが見えてくる。店を出たのは夕方過ぎで、南口の啓文堂へ。川上弘美『森へ行きましょう』を買う。川上弘美は小説というものの言葉にできない不思議さを感じさせてくれる数少ない作家のひとりだと思う。じっくり読みたい。妻とリトルスターレストランで食事。酔っ払ったせいか、また本屋に行きたくなる。アトレの文教堂に行き、雁須磨子『湯気と誘惑のバカンス』、新潮文庫のJ・ルナール『にんじん』を買う。今はストーブの前でマンガから読んでいます。しあわせ。

2017年11月25日

営業時間の変更のことなど

12月から営業時間が変わります。元々の営業時間から開店と閉店をともに一時間早めて、11時開店、21時閉店。特に夜にお越しいただく際はお気をつけください。いつも夜遅くに来るMさんにそのことを告げると案の定の大ブーイング。諸々説明して納得していただく。自分も学生時代や会社に務めていた頃は、遅くまで営業している古本屋がありがたかった。閉店時間を早めることの心苦しさもあるが、ここは「理」よりも「利」を取ったかたち。Yさん、Sさんにも前もって言っておこう。いろいろなことを思いつつ、もうすぐ12月。2017年も残りわずか。


最近俳句に興味を持ったという若いひとと話していて、高濱虚子が意外と読めなくて困る、という話題になった。岩波文庫の『虚子五句集』上下二冊はともに版元品切れで重版再開待ち。こういうときこそ古本屋の出番で、ぜひ探してみてほしい。もちろん弊店で仕入れられるように頑張ってみるつもりだけれども。ちなみに自分は最初、古本屋で買った中央公論社『日本の詩歌』の端本で読んでいた。これには「五句集」からの抄出が出ていて解説も有難かった。うす紫色の函と表紙、四六判よりもやや小柄な判型と、造本も可憐。


近所の新刊書店で本を買おうとして、そこで働かれている店員の何人かの方が、弊店の常連の方だと気がついた。極端な話、自分は古本屋は新刊書店のひとからは嫌われたとしても仕方がないと思っていたので、だからそういう風にふつうに店に足を運んでいただいているのがとてもうれしかった。本が好きなひとの多くは新刊、古本の分け隔てなく本を買うはず。自分も新刊で欲しい本がたくさんあるから、頑張って古本を売ってお金を稼ぎたいと思う。うまく共存していければいい。ちなみにその時はOさんへの誕生日プレゼントで絵本を買いました。


某日。大阪・葉ね文庫で池上さんから弊店を薦められて足を運んで下さったという方が立て続けに来店。ありがたい。葉ね文庫は大阪の中崎町にある不思議な本屋。詩歌俳句に力を入れつつ、新刊、古書、リトルプレスのそれぞれに同じぐらいづつ棚と力を割いているようなイメージで、傍から見るとそのバランスが絶妙と言うか、やろうと思ってできるものでもなさそうな棚づくり。東京にお住いの詩歌俳句読者のみなさんも、ぜひ大阪に足をのばすときには葉ね文庫にも寄ってみてください。ほんとうに面白いお店です。


雨の日は読書を、ということで冷たい雨でお客さんの少なかった過日はゆっくり本を読んでいた。伊藤詩織『Black Box』は興味深く読んだ。2015年に起こった準強姦事件の被害者である著者が、その事件と捜査、その後逮捕状が出されたにも関わらず逮捕がなされず容疑者が不起訴処分となるまでのことを綴ったもの。警視庁の人間による不当と思われる諸々の判断をめぐるルポとして読み応えがあり、また性犯罪の被害者をめぐる環境がまったく準備されていない(制度的にも人間感情的にも)現状の告発という点でも勉強になった。


もう一冊。トーマス・マン&渡辺一夫『五つの証言』(中公文庫)はマンのエッセイに渡辺のエッセイとそれを踏まえた中野重治との往復書簡をあわせたもの。反戦のユマニストの主張は今なお色あせない。「これ(資本主義)が多くの人間を不幸にするようなところまで硬化してきた以上は、進んでこの制度を変えるか棄てるかせねばならない。人間のくせにこの制度の奴隷となり機械となって、この制度の必然的結末とも言える戦争まで起すことは、笑うべき愚挙である」。共産主義に傾倒していた時期の一文で、もちろん省みるべき点はあるとして、感情的には今の自分が読んでもとても理解できる。


常連のTさんが職場の花屋で扱っている花の写真をいろいろと見せてくれた。自分は植物は問答無用で枯らせてしまう人間なので憧れるだけだが、その憧れるというのがとても大切な気がした。本もそうで、装丁の美しさや可愛らしさに憧れたり、きっと自分が知りたいことが書かれているはず、というそこに綴じられた秘密に憧れたり、そういう気持ちが本を手に取らせるのだと思う。普段あまり使わない言葉を連呼したせいか、トリュフォーの『あこがれ』が見たくなってきた。ユスターシュの『サンタクロースの眼は青い』も。あのダッフル・コートへの強烈な憧れ! 話が脱線したところで、今日はここまで。

2017年11月21日

購書日記(11)

オットー・ネーベル展が観たくて渋谷のBunkamura Museumへ。ワイマールのバウハウスでそのキャリアをスタートさせ、亡命先のベルンで活動をつづけた作家について知りつつ観る(良くも悪しくもキャプション多し)。ちょうどトーマス・マンの亡命時代のエッセイを読んでいたので、理解にイレギュラーな流れが生まれる。ここでマン以外の最近の読書のことも。小川高義訳でヘミングウェイの『老人と海』を読んだ。昔読んだ福田恆存訳と印象がかなり異なりとまどうが、個人的には小川訳が好き。大きな声を出さないサンチャゴ。力を込めておすすめしたい。話を渋谷に戻して、12月に閉店するという古本屋の巽堂書店へ。ここではこれまでにも店頭の200円の棚でかなりよい本を買わせていただいた。値付けが大らかと言うのか、言葉にするのが難しいが、遊んでくれていたのだと思う。最後に足を運べてよかった。均一で三一書房『現代短歌大系』11巻、店内の棚で井上究一郎『幾夜寝覚』などを買った。古本屋が無くなるのはさびしい。

2017年11月15日

購書日記(10)

火曜日は定休日。ゆっくり起きて、店で少し作業。源泉徴収分の納税などで税務署へ。お金を払い、領収書を受け取るだけで1時間ほどもかかってしまう。そういうものなのか。池袋でひとと会い、それだけで帰るのがもったいなくて古書往来座へ。『誓子自選句集』(新潮文庫)、中村真一郎編『立原道造詩集』(角川文庫)、阿部良雄『若いヨーロッパ』(中公文庫)と、絶版文庫をあれこれ買う。いずれも書き込みアリだがお買い得だった。吉祥寺のBOOKSルーエでは伊藤詩織『Black Box』を買い、三鷹の啓文堂ではe-honで注文していたバーバラ・ジョンソン『批評的差異』を受け取る。その頃にはもう日も暮れていて、妻は用事で出かけているのだと気づいてカフェとバーミヤンを梯子して読書。ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』とトルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』を読んだ。「クリスマスの思い出」は同じカポーティの『ティファニーで朝食を』でも読んでいた。寂しくて暖かくて、とても好きな短編。バーバラ・ジョンソンを読みはじめ。

2017年11月14日

水中書店から出かける三鷹まち歩きマップ

「水中書店から出かける三鷹まち歩きマップ」というフリーペーパーをつくりました。A4二つ折り、4頁というちいさな冊子です。普段から足を運ぶ近所のお店を紹介した、めちゃくちゃミニマルなローカル情報メディア。三鷹北口では水中書店、テオレマカフェ、南口ではよもぎBOOKS、リトルスターレストランでお配りしています。


イラストとデザインはイラストレーターのコルシカさん(corsicadayo.tumblr.com)が担当してくれました。この冊子をつくりたいという最初のアイデアが生まれたときから、コルシカさんのイラストが頭にありました。とても素敵に(本当に素敵なのです。常套句を軽い気持ちでつかっているのではないのです。)仕上げていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。また、取材、掲載を許可して下さった各店のみなさま、テキストで協力して下さったFさん、どうもありがとうございました。
画像は冊子の現物と、コルシカさんが記念につくってくれたキャラ化した私です。

2017年11月7日

購書日記(9)

定休日。遅く起きて、ゆっくりと仕度をして店へ。事務仕事、振り込みなどを済ませる。ツヴェタン・トドロフの『文学が脅かされている』から表題の評論を読み終え。「文学の自律性」という形式主義や構造主義の価値観に対する疑いに貫かれた文章。引用されていたジョルジュ・サンドがフローベールに宛てた手紙の「ニュアンスこそ芸術の目的なのです」という一節に惹きつけられる。「ニュアンス」という言葉が語源的に「天候」という言葉に近いのだと、あるひとが教えてくれたのを思い出した。妻と待ち合わせていた国立に早く着き、みちくさ書店で文庫を二冊買う。三好達治訳のフランシス・ジャム『夜の歌』(新潮文庫)が殊更うれしい。100円だった。妻と合流してオープンしたばかりのMuseum Shop Tでヘミングウェイを、増田書店でフーコーを、帰りがけにpaper wallでツェランを、と勢いがついたように買ってしまう。まぁ、たまにはよいのでは。